旅行はこのために

帰り道、高速のサービスエリアにて休憩後、
さて、出発するか、という時の事。

「かずを、ちょっと車の鍵貸して。」
「ほいよ。」
鍵を受け取ったらおもむろに車まで行き、
運転席に座り込む。
かずをが叫ぶ。
「おら何やってんだ。
免許持ってねーやつはさっさとどけ。」
ほう、言いましたか。
免許持ってないやつはどけと、言いましたか。
「悪い悪い、そうだった。
ちゃんとこれしないとな。」
おもむろにかばんから若葉マークを取り出す。

かずをさん、一瞬にして全てを理解したようで、
なにやらめちゃくちゃ悔しがっている。

そう、この夏、がんばって教習所に通い、
自動車免許を取ったわたしがそこにいたのだ。

今まで散々
「運転替わろうか、なんて台詞は
免許取ってから言え。」
だの
「吹雪だけは絶対に(運転席には)座らせねー。」
だの
「お前免許持ってんのかよ。」
「持ってるよ。」
「嘘ついてんじゃねー。」
だの言われてきたお返しである。
免許とってもしばらくは黙っておき、
より効果的に仕返しするために、
わざわざ名古屋行きの日を選んだのだ。
まさに旅行はこのために行ったと言えよう。

☆

夕方、市役所に出生届を提出。(当然車で移動)
そのままヌーの実家へ。(当然車で移動)
夕食は思い立ってスパゲティを食べに、
わざわざ千歳烏山まで。(当然車で移動)
免許って便利だね。

☆

My favorite.
ミッション名
「かずをびっくりんぐ、どきどきの若葉マーク」