朝早く仕事に行くと余裕を持った生活を送れる。
結果、面白いものを見る機会に恵まれた。

朝っぱらから5歳くらいの女の子が踊っているのである。
普通に踊っているならよくあるのだろう。
女の子は大声で歌いながら踊っているのである。
まるで歌手になりきったかのように踊る女の子だは、
それでも50歩譲れば見ることのある風景だ。
私にとって驚くことは、それがコンビニの中だったことである。
しかも保護者らしい姿はない。
女の子が朝の8時にたった一人でコンビニの柱の鏡に向かって踊る。
そんな光景を見たことがあっただろうか。
しかし、そこまでなら108歩譲ってまだ解らなくもない(?)。
女の子のそばに行った私は歌っている歌詞を聞いて状況が理解できなくなった。
「♪パンチ、パンチ、パンチを繰り出し・・・」

な、なにを歌っているのだこの子は?

朝8時のコンビニでモー娘。さながらの踊りを
たった一人で「パンチの歌」を歌いながら披露する女の子。
しばし見つめつつ、仕事場にGo!


昼も回り、昼食を食べようと食堂へ行く。
日替わりB定食を見ると「チキンのカレー風味焼き」
メニューからカレー粉をまぶして焼いたチキンを想像しつつ選ぶと、
目の前に出てきた焼きチキンに、カレー定食用のカレーをかけている。

それ、カレー風味じゃないじゃん。

おまけにカレーの中に入ってる肉がチキンにかかってる。
チキンに肉かけてどうするんだよ。

しかも良く考えると、一昨日も昨日も家でカレーを食べてるじゃないか。

俺なんでこんな定食選んだんだろう?


夜、帰宅途中のこと。

職場から駅までバスに乗ろうと待つこと15分。
時刻表には5分毎にやってくるはずのバスは一向に来ない。
そしてやっと来たバスは満員で乗車拒否。
結局、タクシー使えば10分かからない行程を、
雨の中待たされるおまけ付で45分。
ちょっと運行形態考え直した方がいいんじゃないか、都営バス。

怒り心頭で電車へ。

ホームに遅れて到着した満員電車、
乗ろうとすると中から子どもの泣き声。
「おかーさん、痛いよー。降りよーよー。」
その途端である。
子どもの周りに空間が出来た。
驚きと感動である。
満員電車だ。
しかも台風の影響とやらで電車が遅れて、普段よりも混雑している。
それなのに、子どもの周りには苦しまないように空間が作られたのである。
そして周りの人が、丸い顔のおじさんも、しわだらけのおじいちゃんも、
あるいはイヤホンで音漏れさせながら音楽聴いてたお兄さんですら、
子どもに向かってにっこり笑いかけていたのである。
その光景を見て私も思わず笑っていた。
子ども達も次の駅まで終始笑っていた。
幸せな瞬間ってあるものだと思った。
バスでの恨みもすっかり忘れていた。

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